学会設立趣旨

 すべての国民がけがや突然の病気となった際に、如何なる状況、如何なる場所においても、互いの安全の確保し、適切な医学的な質の担保の下に適切な応急手当を受けることができることは我が国の喫緊の課題といえる。本学会はこれらの状況を鑑み救護・救急処置の研究や普及、さらに病院前の救護救急体制に関するメディカルコントロールにより、質の担保を行うことにより、国民の福祉の向上に貢献することを目的として設立された。

 来る東京オリンピックなどの集客イベント、スポーツ大会などにおいてもその必要性はますます高まってきており学会設立の期は熟したと考える。

 まず本学会の役割として、国民の福祉の向上という観点から、救急医療が開始される前の救護救急体制に着目しファーストエイドを実践する資格(プロバイダー)の位置づけを提案する。これまでファーストエイドは、日本赤十字社や全国の消防機関、様々な団体・組織によって普及され、個人の善意の元に行われてきたが、応急手当の内容や方法については医学的な観点からの議論は少なかった。しかし近年では心肺蘇生や応急手当も含め救急蘇生法の指針や蘇生ガイドラインにもその処置の根拠が示されるようになり、医学的な質の担保と体制整備が急がれている。特に、学校内の事故などからアレルギーによる生命危機に陥った際の職務上救護義務を有する者の行為と責務が求められるようになり、確実な応急手当の実施が求められる立場にある非医療従事者(自衛隊員、警察官、海上保安官、介護士、社会福祉士、ケアマネージャー、病院職員、学校教職員(養護教諭を含む)、保育士、駅員、警備員、ライフセーバー、登山ガイド、スポーツインストラクター、スキーパトロール、消防団など)が迅速に応急手当を行うための体制づくりが急務であると考える。さらに、この分野の専門医師による応急手当の質の担保のための教育や指示指導体制の整備、初期救護者への肉体的・精神サポート体制なども合わせて整える必要がある。

 これらのことから、我が国のファーストエイドの在り方を研究し、救急車が到着するまでの救護救急体制の普及と実践につとめ、また医学的な質の担保を行い、最終的には国民の福祉の向上がはかれるように活動するつもりである。来る東京オリンピック・パラリンピックにはファーストエイドを実践できる多くのボランティアが必要とされる。本学会は医療資格を問わず、救急・救護の指導・実践を行う全てのものが参加可能である。

これを機会に多くの同じ志をもつ有志の本学会への参加をお願いしたい。

 

一般社団法人 日本救護救急学会

理事長 島崎修次


法人概要

法  人  名  一般社団法人 日本救護救急学会  
英語表記   Japanese Association of First aids and Emergency Medicine)
法人設立日  2015年10月19日
事務局所在  東京都多摩市南野2-11-1 国士舘大学防災・救急救助総合研究所内

役 員

理事長 島崎 修次  国士舘大学 防災・救急救助総合研究所 所長
副理事長 小峯 力  中央大学 理工学部 教授
副理事長 西本 泰久  京都橘大学 健康科学部 教授
理 事 坂本 哲也  公立昭和病院 院長
理 事 横田 裕行  日本体育大学大学院保健医療学研究科 研究科長 教授
理 事 中川 儀英  東海大学医学部救命救急医学 領域主任教授
理 事 田中 秀治  国士舘大学大学院救急システム研究科 研究科長 教授       
理 事 喜熨斗 智也  国士舘大学 体育学部 准教授
理 事 武田 聡  東京慈恵会医科大学 救急医学講座 教授
理 事 山本 利春  国際武道大学 体育学部 教授
理 事 山下 和範

 長崎大学病院高度救命救急センター 副センター長 

 長崎大学病院災害医療支援室 准教授

理 事 奥寺 敬  富山大学 医学部 救急・災害医学講座 教授
理 事 池田 尚人  昭和大学江東豊洲病院 脳血管センター長
理 事 齊藤 紀彦  日本赤十字社 事業局 救護・福祉部 健康安全課
理 事 植田 広樹  国士舘大学 防災・救急救助総合研究所 教授
理 事 堀 美智子    一般財団法人日本ヘルスケア協会 理事
監 事 野口 宏  愛知医科大学 名誉教授
監 事 加藤 啓一  日本赤十字社医療センター 麻酔科

  

 

   

日本救護救学会 定款

 

1 名称及び事務所

1条(名称)

本法人は、一般社団法人日本救護救急学会と称する。

 

2条(事務所)

本法人は、主たる事務所を京都府南丹市に置く。

2.本法人は、理事会の決議を経て、必要な地に従たる事務所を置くことができる。これを変更又は廃止する場合も同様とする。

 

2 目的及び事業

3条(目的)

本法人は、救護・救急の研究と普及、さらに、救護救急体制に関するメディカルコントロールによる質の担保を行うことにより、救護救急体制の充実を図り、国民の福祉の向上に貢献することを目的とする。

 

4条(事業)

本法人は、前条の目的を達成する為に次の事業を行う。

1)学術集会の開催

2)学会誌の発行

3)学術講演会の開催

4)救護・救急に関わるガイドラインの策定と普及

5)学会賞・奨励賞事業

6)救護・救急に関わる研究・啓発事業

7)救護・救急に関わる国際連携推進事業

8)救護・救急公開講座等の社会貢献事業

9)救護・救急などに関わる指導者養成事業

10)救護・救急の質の担保を行うためのメディカルコントロール事業

11)関係学術団体などの連絡提携事業

12)その他本法人の目的を達成するために必要な事業

 

5条(公告)

本法人の公告は、電子公告によって行う。

2.本法人の公告は、電子公告による公告をすることができない事故その他のやむを得ない事由が生じた場合には、官報に掲載する。

 

3 会員

6条(会員の構成)

本法人の会員は、次の3種とする。なお、正会員をもって一般社団法人及び一般社団法人に関する法律(以下「一般法人法」という。)上の社員とする。

1)正会員とは、本法人の目的に賛同して入会した個人又は法人。

2)賛助会員とは、本法人の事業を賛助して入会した個人又は法人。

3)名誉会員とは、本法人に永年に亘る貢献の認められた会員を理事会の推薦により、社員総会の決議を経て承認を得た者をいう。

 

7条(入会)

本法人の正会員になろうとする者は、所定の手続による入会申込書を理事長に提出し、理事会の承認を得なければならない。

 

8条(会費)

正会員及び賛助会員は、社員総会において別に定めるところにより、会費を納入しなければならない。

2. 名誉会員は、会費の納入を必要としない。

 

9条(退会)

正会員及び賛助会員は、退会しようとするときは、その旨を理事長に届け出なければならない。

2.会員が死亡し、又は解散したときは、退会したものとみなす。

 

10条(魁夷の資格喪失)

会員が次の各号の一つに該当するときは、その資格を喪失する。

1) 総正会員の同意があったとき。

2) 死亡又は解散したとき。

3) 除名されたとき。

4) 特別の理由なく、2年以上会費を納入しないとき。

 

11条(除名)

会員が本法人の名誉を著しく傷つけた場合等の正当な理由がある場合には、社員総会において正会員の半数以上であって、正会員総数の議決権の3分の2以上の議決により、除名することができる。

2.前項の規定により除名する場合には、当該正会員に対し、社員総会の1週間前までに除名する旨の理由を付して通知し、議決の前に弁明の機会を与えなければならない。

3.前項の規定により資格を喪失した会員が既に納入した会費その他の拠出金品は、返金しない。

 

5 役員

12条(役員等の種類)

本法人に,次の役員を置く。

1)理事3名以上16名以内

2)監事2名以内

3)理事のうち1名を理事長とする。

4)理事のうち2名以内を副理事長とし、業務執行理事とする。

5)理事長、副理事長以外の理事のうち5名以内を業務執行理事とする。

2.前項の理事長をもって一般法人法上の代表理事とする。

 

13条(役員の選任)

理事及び監事は、社員総会において選任する。

2.理事長及び副理事長及び業務執行理事は理事会の決議により選定する。

3.理事及び監事は、相互に兼ねることができない。

4.各理事について、当該理事及びその配偶者又は3親等内の親族(これらの者に準ずる者に準ずるものとして当該理事と政令で定める特例の関係にあるものを含む。)の合計数は、理事総数の3分の1を超えてはならない。監事についても同様とする。

 

14条(役員の任期)

理事及び監事の任期は、選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会終結のときまでとし、再任を妨げない。

2.補欠として選任された理事又は監事の任期は、前任者の任期の満了する時までとする。

3.理事若しくは監事が欠けた場合又は第121項で定める理事若しくは監事の員数が欠けた場合には、任期の満了又は辞任により退任した理事又は監事は、新たに選任された者が就任するまで、なお理事又は監事としての権利義務を有する。

 

15条(理事の職務)

理事長は、本法人を代表し、業務を統括する。

2.副理事長は理事長を補佐し、理事長に事故がある時は、あらかじめ定めてある順序によりその職務を代行する。

3.理事は、理事会を構成し、業務の執行を決定する。

4.理事長、副理事長、業務執行理事は、毎事業年度に4か月を超える間隔で2回以上、自己の職務の執行状況を理事会に報告しなければならない。

 

16条(監事の職務)

監事は、次の権限を有する。

1)理事の職務の執行を監査し監査報告を作成すること。

2 本法人の業務及び財産の状況を監査すること。

3)理事会に出席し、必要があると認めるときは意見を述べること。

4)理事が不正行為を行い、若しくは当該行為を行うおそれがあると認めるときは、遅滞なくその旨を理事会に報告すること。

5) 前号の場合において必要であると認めるときは、理事長に対し理事会の招集を請求すること。この場合、請求の日から5日以内に、その請求があった日から2週間以内の日を理事会の日とする旨の理事会招集の通知が発せられない場合には、直接理事会を招集すること。

6)理事が社員総会に提出しようとする議案や書類その他法務省令で定めるものを調査し、法令若しくは定款に違反し、又は著しく不当な事項があると認めるときは、その調査結果を社員総会に報告すること。

7)理事が本法人の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、その行為によって著しい損害が生ずるおそれがあるときは、その理事に対し、その行為をやめることを請求すること。

 

17条(責任の免除)

本法人は、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第114条の規定により、理事会の決議をもって、同法第111条の行為に関する理事(理事であった者を含む。)の責任を法令の限度において免除することができる。

2.本法人は、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第114条の規定により、理事会の決議をもって、同法第111条の行為に関する監事(監事であった者を含む。)の責任を法令の限度において免除することができる。

 

 6 理事会及び社員総会

18条(理事会)

理事会は通常理事会、及び臨時理事会の2種とする。

2.理事会はすべての理事をもって構成する。

3.理事会はこの定款に定めるもののほか、次の職務を行う。

    1)本法人の業務執行の決定

    2)理事の職務の監督

    3)社員総会の日時、場所及び社員総会の目的事項の決定

  4)理事長及び業務執行理事の選定及び解職

4.理事会は次の事項その他の重要な業務執行の決定を理事に委任することができない。

    1)重要な財産の処分及び譲受け

    2)多額の借財

    3)重要な使用人の選任及び解任

    4)従たる事務所その他の重要な組織の設置、変更及び廃止

    5)職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他一般社団法人の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備

    6)第17条の責任の免除

 

19条(理事会の開催)

1.     通常理事会は、毎年定期に、年3回開催する。

2.     臨時理事会は、次の場合に開催する。

1)理事長が必要と認めたとき。

2)理事長以外の理事より会議の目的たる事項を記載した書面により開催の請求があったとき。

3)前号の請求があった日から5日以内に、その請求があった日から2週間以内の日を理事会の日とする旨の理事会招集の通知が発せられない場合には、請求をした理事が招集したとき。

4)監事から開催の請求があったとき。

5)前号の請求のあった日から5日以内に、その請求があった日から2週間以内の日を理事会の日とする旨の理事会招集の通知が発せられない場合には、請求をした監事が招集したとき。

 

20条(理事会の招集)

前条第2項第3号及び第5号の場合を除き、理事会は理事長が招集する。

2.理事会を招集するときは、理事会の日の1週間前までに、各理事及び監事に対しその通知をしなければならない。

3.前項の規定にかかわらず、理事及び監事の全員の同意があるときは、理事会は招集の手続きを経ることなく開催することができる。

 

21条(理事会の議長)

理事会の議長は、理事長がこれに当たる。

 

22条(理事会の定足数)

理事会は、理事の過半数の出席がなければ、議事を開き議決することはできない。

 

23条(理事会の決議)

理事会の議事は、決議に加わることができる理事の過半数が出席し、出席理事の過半数の同意をもって決する。

2.理事が理事会の決議の目的である事項について提案した場合において、その提案につき理事全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をした場合は、その提案を可決する旨の理事会の決議があったものとみなす。

 ただし、監事がその提案につき異議を述べたときはその限りではない。

3.理事、監事が理事及び監事の全員に対し、理事会に報告すべき事項を通知した場合においては、その事項を理事会に報告することを要しない。

 

24条(理事会の議事録)

理事会の議事については、法務省令の定めるところにより、議事録を作成し、出席した理事長(代表理事)はこれに署名し、又は記名押印しなければならない。

 

25条(社員総会)

社員総会は、通常社員総会及び臨時社員総会の2種とする。

2.社員総会は、正会員をもって構成する。

3.社員総会における決議権は、正会員1名につき1個とする。

 

26条(社員総会の開催)

通常社員総会は、毎年1回毎事業年終了後3か月以内に開催する。

2.臨時社員総会は、次に掲げる場合に開催する。

    1)理事会が必要と認めたとき。

    2)総社員の議決権の10分の1以上の議決権を有する正社員から会議の目的たる事項及び招集の理由を記載した書面により開催の請求があったとき。

 

27条(召集)

社員総会は、理事会の決議に基づき理事長が招集する。

2.理事長は、前項第2項第2号の場合には請求の日から6週間以内に臨時社員総会を招集しなければならない。

3.社員総会を招集するには、会議の目的たる事項及びその内容、日時並びに場所を示して、開会の日の2週間前までに書面をもって通知しなければならない。

 

28条(社員総会の議長)

社員総会の議長は、その総会において、出席した正会員のうちから選任する。

 

29条(社員総会の定足数)

社員総会は、委任状及び書面投票者を含めて社員の過半数以上の出席がなければ、議事を開き議決することはできない。

 

 30条(社員総会の決議)

社員総会の議事は、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第49条第2項に規定する事項を除き、社員の過半数が出席し、出席した社員の過半数の同意をもって決する。

2.前項の規定にかかわらず、次に揚げる決議は、総社員の半数以上であって、総社員の議決権の3分の2以上に当たる多数をもって行わなければならない。

1)社員の除名

2)監事の解任

3)役員等の責任の一部免除

4)定款の変更

5)事業の全部の譲渡

6)解散及び継続

7)合併契約の承認

 

31条(書面決議等)

やむを得ない理由のため会議に出席できない正会員は、あらかじめ通知された事項について、書面をもって表決し、又は他の正会員を代理人として表決を委任することができる。この場合において、書面表決者又は表決委任者は、会議に出席した者とみなす。

2.理事又は正会員が、社員総会の目的である事項について提案した場合において、その提案につき正会員の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、その提案を可決する旨の社員総会の決議があったものとみなす。

 

32(議事録)

社員総会の議事については、次の事項を記載した議事録を作成しなければならない。

1)社員総会の日時及び場所

2)正会員の現在数

3)会議に出席した正会員の数(書面表決者及び表決委任者を含む。)

4)審議事項及び議決事項

5)議事の経過及び要領並びに発言者の発言の要旨

6)議事録署名人の選任に関する事項

2.議事録には、議長及び出席した正会員のうちからその会議において選出された議事録署名人2人以上が署名、押印しなければならない。

 

7 計算

33条(事業計画及び収支予算)

本法人の事業計画書及びこれに伴う収支予算書は、理事長が作成し毎会計年度開始前に理事会の承認を受けなければならない。

2.前項の規定にかかわらず、やむを得ない理由により予算が成立しないときは、理事長は理事会の決議を経て、予算成立の日までに前年度の予算に準じて収入し、又は支出することができる。

3.理事長は、第1項の事業計画又は予算を変更しようとするときは、理事会の承認を得なければならない。ただし、軽微な変更についてはこの限りではない。

 

34条(事業報告及び収支決算)

本法人の事業報告及び計算書類は、毎事業年度終了後3か月以内に理事長が事業報告書、貸借対照表、損益計算書、附属明細書を作成し、監事の監査を受け、理事会の承認を経て、社員総会の承認を受けなければならない。

 

35条(会計)

この法人の会計は、一般に公正妥当と認められる会計の慣行に従うものとする。

 

36条(余剰金の処分)

本法人は、余剰金が生じた場合であってもこれを社員に分配しない。

 

37条(事業年度)

本法人の事業年度は、毎年41日に始まり、翌年331日に終わる。

 

8 定款の変更及び解散

38条(定款の変更)

定款の変更は、社員総会において、総社員の半数以上であって、総社員の決議権の3分の2以上に当たる多数をもって行わなければならない。

 

39条(解散)

本法人の解散に伴う残余財産は、社員総会の決議により、本法人と類似の事業を目的とする公益法人、国又は地方公共団体に寄附するものとする。

 

14 附則

40条(最初の事業年度)

 

本法人の最初の事業年度は、本法人設立の日から平成28331日までとする。

 

43条(施行細則)

この定款の施行についての必要な事項は、理事長が理事会及び社員総会の議を経て細則として別に定める。

 

44条(法令の準拠)

本定款の定めにない事項は、すべて一般法人法その他の法令に従う。